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2007.11.26 Mon手紙 東野圭吾 [book]

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前略 元気ですか。

強盗殺人の罪で服役中の兄、剛志。弟・直貴のもとには、獄中から月に一度、手紙が届く…。しかし、進学、恋愛、就職と、直貴が幸せをつかもうとするたびに、「強盗殺人犯の弟」という運命が立ちはだかる苛酷な現実。人の絆とは何か。いつか罪は償えるのだろうか。犯罪加害者の家族を真正面から描き切り、感動を呼んだ不朽の名作。

軽めの社会派小説という印象。濃淡な作品。「真綿で首を絞める」東野圭吾作品というのは、まさにその感覚。

主人公直貴は多才だ。その設定は物語的非現実的な淡い部分でもある。またそこには作者の言わんとする重要な部分が隠されているようにも思う。もし仮に、兄剛志が殺人犯でなかったとしたら、どのような場においても、直貴は才能を遺憾無く発揮し、成功していたのかもしれない。またそこまではいかずとも、少なくとも、今よりは、明らかに、良い人生を歩いてこれたのは明確であるし、それは直貴自身も承知していた。そこなのだと思う。

直貴は加害者の身内という立場を離れ、被害者意識であった。

それは勿論そうなのかもしれない。誰だってそうなのかもしれない。そうなるのかもしれない。ただ自分だけで済むのなら誰だって人が人を悪戯に殺す。直貴は自らの娘も加害者差別の偏見にあったのだと訴えるが、それは周りの人間からするとごく当たり前の差別行為であるのが事実だと認識し、またそれも加害者家族の罪であるのを認めるまでに少し時間が掛かってしまった。兄もまた同じである。それがこの本だと私は思う。

この物語で面白いのは、直貴が加害者の身内から、被害者の身内に変わるところだ。そこで直貴は学ぶ。どうしたって許されないという、心の意地と深い悲しみを学ぶと共に、そこで兄の、本当の、罪の重さを知る。そして物語の終止符が打たれる。

最初に軽めの社会派小説と書きましたが、テーマは非常に重い。東野圭吾独特の秘密はまだ続きそうです。やるせなく面白いが軽い。
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posted by:15:12 trackback:0 comment:2 

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